なにくそ!俺はここにいる 120

京都府 飛田洋さん(69歳)

和歌もどき

退屈つぶし


『一』
和歌もどき
川柳もどき   ひまつぶし
 退屈しのぎ   徒然に書く
ふとるほど
俺は貰って   食いはせぬ
 下腹出てぬ   肥満と無縁

『二』
エコでっせ
節電でっせ   クールビズ
 商魂のぞき   熱気は高し
梅雨あけて
汗と浴衣で   コンチキチ
 祇園が恋し   賑わい恋し

『三』
和歌もどき
雅に見せる   がさつさよ
 育ち隠せぬ   生まれも辛し
デモの群れ
止めろ原発   アジるのを
 声有る声と   心に留める


『一』
ことば遊びは  ワープロ命
ペグの食事で  TVのお守
長らく続けて  いるけれど
飽きの来る事  まだないね
 退屈しのぎは  しなくても
 退屈つぶしの  プロかもね

『二』
鼻毛抜かれて  暮らした女
酔って道路で  迎えた朝よ
若気の至りと  言うものの
今はむかしの  ものがたり
 退屈してるの  でまかせも
 退屈つぶしの  エサかもね

『三』
仕事なかばで  倒れた未練
元気ならばと  想像してる
反省したとも  しくじりは
後悔呼んでの  パレードさ
 退屈するより  浮かべたら
 退屈つぶしの  ヒマつぶし


ことば遊び

蟹とメダカ


『一』
ドクロとトグロは  似てちがう
ウドンとタドンも  似てちがう
 ちがいはあるとも  言うけれど
 とにかく気にする  ものわすれ
ひらめきチエーン  はずれたか
ことばが浮かんで  来ないのさ

『二』
チタンとトタンは  似てちがう
アラシとカラシも  似てちがう
 老け込む年齢じゃ  ないけれど
 それでも気になる  このごろさ
ボケ出したかとも  言われたよ
くさって来だした  ノウミソが

『三』
ツバメとツバキは  似てちがう
マクラとオクラも  似てちがう
 バカあつかいにゃ  まいるから
 そんなの気に病む  ことないと
二文字のしりとり  やりながら
はじめてみようか  ノウトレを

★ 年齢~とし


『一』
蟹とメダカが  好きなのさ
子育て時代が  懐かしい
誰も当時は   考えぬ
元祖イクメン  だったかも
あれから随分  たつけれど
忘れられない  僕なんだ

『二』
蟹かメダカを  飼えたなら
どんなに楽しい 事だろう
蟹の動きは   お盛んで
腕白小僧と   似ていたよ
一人で大人に  成った気に
笑いたくなる  僕なんだ

『三』
蟹とメダカの  水槽で
メダカの子供が 増えて行く
泳ぐ姿を    追いながら
ベッドの上から 目の検査
憩いと安らぎ  ゆとりまで
感じられてた  僕なんだ


かぞえうた

やすみ休み


『一』
一つひっそり  ひきこもり
人目触れずに  暮らしてる
こんな身体で  いるけれど
生きてる事は  しあわせさ
『二』
二つふっくら  ふくよかに
不安持たずに  過ごしてる
不便不自由は  あるけれど
不遇でなんか  いるものか

『三』
三つみっちり  みさだめて
耳とこの目を  活かし切る
こんな身体で  あるのだと
プラスに思い  とらえてる
『四』
四つよったり  よろけてる
酔いと同じの  老いを知る
残り知れずの  おもしろき
この世の風を  受けとめる


『一』
暑い暑いを   くりかえし
傷の直らぬ   レコードか
 叫び涼しく   成るのなら
 踊り狂うぞ   寝たきりが
休み休みに   バカを言え

『二』
暑い暑いと   来るけれど
夏は暑くて   あたりまえ
 逆手利用と   行きますか
 汗が頼みの   ダイエット
休み休みに   クビレ出せ

『三』
暑い暑いと   オームだな
一つ覚えが   うるさいぞ
 今の季節は   引きしめて
 事に当れよ   事故が待つ
休み休みに   ドジは踏め


主治医より一言

<<退屈つぶし>>

 飛田さんには、ワープロの趣味があって羨ましい。小生の退屈つぶしは、飛田さんの作品集に目を通す事かな。政治や世の中の流れを本当にうまく批評されていて、読んでいて痛快です。