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なにくそ!俺はここにいる81

京都府 飛田洋さん(65歳)

気にならぬ

夫婦船


『一』
ならぬならぬ  気にならぬ
何も書く気が  起きて来ぬ
 朝はあけても  変わりなく
 夜はいつもで  更けて行く
  オレは刺激が  欲しいのに

『二』
ならぬならぬ  気にならぬ
TV見る気が  わいて来ぬ
 事件事故には  うんざりで
 油断してると  やらせとは
  オレは余裕が  欲しいのに

『三』
ならぬならぬ  気にならぬ
文句言う気が  見つからぬ
  感謝する気が  言うならば
  落度不慣れと  言うことで
   オレは我慢が  似合ってる 


『一』
何も恐れぬ   決心で
共に歩いて
共に歩いて   幾春秋
 色々あった   人生の
 辛さ厳しさ   超越し
 今も恋する   夫婦船

『二』
求め続けた   幸せは
遥か遠くの
遥か遠くの   夢の先
 身近な事に   現実に
 答出すのも   歳の功
 今も恋する   夫婦船

『三』
寒い朝待つ   雪に霜
共に白髪の
共に白髪の   六十五
 数々あった   恨み事
 水に流して   極楽と
 今も恋する   夫婦船


不用な空調

私の居場所はここだけだ


『一』
暑さ寒さは   気にしない
不用な空調   やめてんか
 使用電気が   上がるなら
 介護費用も   かさむから
少しは我慢   させてくれ

『二』
希望する時   無理を言う
不用な空調   無駄になる
 使用電気を   無茶すれば
 停電だって   起こり得る
少しは我慢   させてくれ

『三』
俺は楽しく   ためしてる
不用な空調   やめてんか
 夏を嘆いて   みるもいい
 冬の厳しさ   知るもいい
少しは我慢   させてくれ


『一』
昔はやる気で  鳴らしたが
過去の暮しが  なにになる
まんねん床の
私の居場所は  ここだけだ
理解するのが  ひとりでも
君がいるから  しあわせさ

『二』
十四の秋から  はじまった
親のてつだい  ふりかえる
部屋住み育ち
私の居場所は  ここだけだ
何にまされる  やすらぎが
祖母の隠居所  この部屋さ

『三』
貧乏くじだの  ひやかしに
自信持ってた  抱かれてた
はかない夢の
私の居場所は  ここだけだ
今の時代にゃ  合わずとも
頑固おやじで  とおしてる


二倍ばかりはたらいて

 


『一』
どんな音にも   めざとくて
めざめた時は   起き出して
人に負けずに   がんばった
 二倍ばかりは   はたらいて
 今はみじめに   ベッドです
 今は甲斐なく   ベッドです

『二』
若い意気込み   向こう意気
自慢は意地で   やりがいで
人にゆとりを   あげていた
 二倍あまりは   はたらいて
 無駄な苦労で   終わったよ
 無駄な努力で   終わったよ

『三』
害をあたえず   来れたから
誇りを持って   生きたから
人をこばまず   暮らせるさ
  二倍ばかりは   はたらいて
  俺はいまさら   悔いはない
  俺はいまでも   悔いはない



銀閣寺 哲学の道
銀閣寺 哲学の道

主治医より一言

<<二倍ばかりはたらいて>>

 小生も、若い時に人の何倍も働いて?あまり家に帰れなかった為、家内に子どもの発語が遅いのは、あなたがいないからと云われていたのを思い出しました。でも、今があるのは、その頃のおかげと思っています。