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第2回東京(豊島・台東・荒川)PDNセミナー

●一般演題

質問に答える猿田先生(右)と野中先生
質問に答える猿田先生(右)と野中先生

一般演題では同じく木村病院看護師の猿田先生と薬剤師の宮谷先生、岡田病院外科の笠巻先生が症例やアンケート調査の結果を交えて発表された。

猿田先生は、PEG後の在宅介護に向けた指導の際、家族の不安をすくい上げ、指導担当者が変わっても一連の流れで行える指導表を作成。同時に褥瘡があって長時間にわたる投与が困難、仕事をしながらの介護なので投与に時間がかかることが大変、という介護者の悩みを解決するために、とろみ剤を用いた栄養剤の半固形化を導入し、介護者の負担と不安を軽減させることができた症例を紹介。

薬剤部の宮谷真紀子先生
薬剤科の宮谷真紀子先生

『今後も在宅介護における問題をひとつずつ解消し、介護される側もする側も安心した生活を送れるよう支援していきたい』と猿田先生。

薬剤科の宮谷先生は、増え続ける経管栄養施行患者への薬剤投与において、従来の粉砕調剤に変わる簡易懸濁法の院内での導入について報告。看護師全員を対象とした説明会を実施し、アンケートを行い、院内の有用性を明らかにした。

今後の課題としては、更なる配合変化のデータ収集および退院後も同法を継続できるシステム構築を挙げられた。後者については荒川区内の調剤薬局を対象としたアンケートや説明会を実施予定とのこと。後日、本セミナーでそのレポートをぜひお願いしたい。

笠巻伸二先生
笠巻伸二先生

岡田病院の笠巻先生は、他院で行われた胃ろうカテーテル交換で瘻孔損傷・汎発性腹膜炎を起こした患者が搬送されてきた自験例を示しながら、その対応についてお話された。交換時の瘻孔損傷・汎発性腹膜炎は、ひとたび起これば重篤化し、死亡することもある重大な合併症であるが、経管栄養開始前に異常に気づき適正な処置を行えば、緊急手術を行うことなく保存的治療で改善することもあるという。そのため、胃内留置の確認を確実に行うことは言うまでもないが、交換後のカテーテル確認方法については様々な方法が試みられている。笠巻先生は、交換後のカテーテルから空気を注入し、CTで確認する方法をおこなっているが(万が一胃内ではない場所に注入されても害にならないように、空気を選んでいるそうだ)、CTの使用できる環境でなければ施行できないということで反論の嵐にあうこともあるとのこと。

PEG施行数が益々増えることが予測される中、安全・確実な交換および交換後の確認方法の確立が緊急の課題であると結ばれた。