「胃ろうは一生使うもの…??大きな誤算!」3
「加湿器装着」
11月になると暖房が入るから病室が乾燥して、カニューレに痰が付着し空気の通りが悪く息苦しくなるから、主治医が加湿器を着けてくれ、至急にフジアールシーに純正の加湿器を注文してくれました。
あくる日の夜、加湿器を付けにきてくれました。加湿器の温度設定を最初は3に設定しましたが、点滴(IVH)だけで生活をしていると痰が普通より粘く、加湿器の温度設定4にあげると痰が奇麗に取れるようになり、カニューレの痰の詰まりも解決しました。
加湿器を着けたお陰でカニューレ交換が二週間に1回に落ち着きました。それまでは一週間もたずに、ひんぱんに交換してもらっていた。少しでもいい胃ろうから食事を入れやなあかんなと思いました。点滴(IVH)だけでは長生きできないと感じました。
「全身麻酔で手術」
1 最後の手段で腹を切らないと治しようが無いから、外科医に腹を切るのやったら早く してと頼みました。手術日は二週間予定が詰まっていると言われる。皆から早く早くしてと先生を困らせました.妻は自分の手術と違うから〔先生、次の手術日は早くして〕と無理に頼んでる。私の心の準備も考えないで、もう入院生活も長いから、みんな帰りたい一心で?先生の顔を見ると「早くして~早くして~」と言っている。手術するのワシやちゅ~ね、勝手に決めようとしている。それで手術日が1週間早くなりました。
2 手術日当日に前の方がキャンセルになり、夕方する予定が午後1時からになりました。それで昼前から急いで手術の準備をするが、まだ心の準備ができていないのにと思いながら諦める。
前もって主治医と外科医に麻酔の効きが悪いことを言っていますが、妻も念を押して「麻酔は多い目にしてよ」と先生に頼んでいました。全身麻酔やから間違いなしに効くよと外科医が説明をしてくれる。全身麻酔は生まれて初めてのことで、麻酔が覚めるとパソコンを打つ親指が、いつものように動くか心配でした。もし動かなくなっていたらどうしようと、その事が気掛かりでした。
3 いよいよ手術室へ、外科医2名と看護師3名で手術をおこなう。まず導尿の管を入れ、腹全体イソジン消毒冷たい、それから麻酔をするとフーット気持良くなり眠る。メスを入れる感じがスーットすると後は完全に眠ってしまった。
気がつくと胃袋を寄せていた。あっいたたたたたと思い、目を開けようとしても麻酔が効いて瞼が動かない、意識だけが目を覚まし痛みもある程度感じる。胃と皮膚の悪い所をハサミで切ると痛みが差し込んで痛い、脈拍もピッピピピーっと速くなってきました。
先生は『麻酔が切れてきたんか追加しょうか』と言って、麻酔を追加しても痛みは変わらない。麻酔が効いているといえども"ウーッ"とうなる程痛いから、早く手術が終って欲しいなと思うばかりでした。
外科医は、私の家に一番最初に訪問してくださった先生で、家の事情もよく知っている。今度こそこの人を家に帰れるようにしちゃらんと怒られる。皮膚を閉じる前に腹の中に忘れ物ないか調べて、使ったガーゼを数えて〔間違いないな。さーあ閉じよう〕と言い皮膚を合わせると、〔あっ、ここに穴があくな、穴があいたまま帰らせない〕と冗談半分に言った。もう先生に余裕の表情が出てきたように感じました。
手術が終ると丁度1時間40分予定どおりに終った。あと消毒にイソジンを塗りたくってガーゼをあてて終り。看護師さんの一人が腹帯をするといいと言った。腹帯をすると息苦しくなるから、腹帯されたらまずいと心配でした。最後に先生が、麻酔よく効いてるなと言って、スタッフの皆さんに"ご苦労様"と挨拶をして手術室を後にしました。病室へ帰る途中にエレベーターの中で先生と妻が話をしているのがまるごと聞こえ"よく寝てるやろ"これで家に帰れるなと話ながら病室に着きました。
4 先生は病室で待っていた皆に手術の経過を説明して帰りました。看護師さんが処置に来ると、〔まあよく寝ている〕と言いながら処置をしていく、早く麻酔からさめないかと瞼を開けようとするが動かない、1時間位たったころか瞼が開いた。見上げると皆の顔が私を見つめていました。
丁度、外科医が麻酔からさめたか様子を見に来て、麻酔からさめた顔を見てホットした様子、明日から朝一番に消毒に来ますと言って帰りました。
5 翌朝から抜糸するまで約2週間、朝7時に消毒に来てくれました。「麻酔がさめてパソコンを打てた時は嬉しかったです」抜糸が終わってから薬を注入し始める。薬の注入量といっても50ml の白湯に溶かし注入、後押しの白湯を30ml 注入しただけでお腹が一杯になる。
腹の傷口の皮膚を見ると薄くて今にも破れそうと皆に言われ、私も不安になりました。
主治医も食事はもう少し待とうと言い、経管栄養を注入始めたのが1ケ月後です。