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「胃ろうは一生使うもの…??大きな誤算!」4

  翌朝から抜糸するまで約2週間、朝7時に消毒に来てくれました。「麻酔がさめてパソコンを打てた時は嬉しかったです」抜糸が終わってから薬を注入し始める。薬の注入量といっても50ml の白湯に溶かし注入、後押しの白湯を30ml 注入しただけでお腹が一杯になる。
腹の傷口の皮膚を見ると薄くて今にも破れそうと皆に言われ、私も不安になりました。
主治医も食事はもう少し待とうと言い、経管栄養を注入始めたのが1ケ月後です。

  経管栄養を注入する前に胃ろうのチューブを太くしようと14フレンチ~16フレンチに入れ替えると胃痛がして痛いと訴えると、主治医が大丈夫と言う、でも痛くて全身に脂汗をかいている。
その夜に胃ろうがパチッと漏れた感じがしたから看てもらうと漏れたあとがない。それから急に痛みが無くなって楽になり少し眠れる。翌日、チューブを18フレンチにする時に、前に入れていたチューブを抜くとバルーンが破れていた。主治医は〔おかしいな〕と言いながら18フレンチのチューブを挿入すると、やっぱり痛く顔をしかめて「痛い」と訴えるが、主治医はチューブを抜いてくれない、「胃袋はそんなに小さくなっていないから、これくらいのチューブは入るはずや、今は痛いが慣れると痛くなくなる」と言う、私もそうかいなと思い納得しましたが、でもやっぱり痛く脂汗をかいて眠れそうでない。
我慢していると、夜中にまたパチッという感じがして「バルーンが破れた」と言うて調べてもらうと破れていた。当直医が来てチューブを入れ替えてもらうが痛みがひどくなるばかりなので、先生に「チューブを抜いて、痛すぎる」と言って、パソコンで「胃壁にチューブがあたって痛い」と説明するが「主治医の指示通りにしておきます」と言われました。
主治医に連絡して何とかならないかと頼みましたが受け入れてもらえない。我慢するしかないかと思うと、またバルーンが破れたので、妻に頼んでチューブを少し引き上げてもらい楽になる。
丁度、主治医は当直医だから4時になると呼んであげると看護師が言ってくれたときは嬉しかった。主治医が来るまでパソコンに伝えたい事を書いておきました。4時に主治医が来て胃ろうを診て炎症しているからと、応急処置に吸引チューブと交換する。

  翌日にCTで胃の内部の大きさを調べてもらうと、胃の内部の直径3センチしかなかった。チューブを14フレンチに戻す。状態が落ち着いてから経管栄養の注入を始めるが、わずか50mlのエンシュアリキッドを注入すると満腹になり、三日間下痢で尻が痛い。
胃ろうの痛みがなくなると、今度は尻が痛く、いつもどこかが痛い、入院してから痛みの我慢ばかりしている。
もう4ヶ月間、歯をくいしばるばかり・我慢ばかりしていて、腹の底から笑ったことがない、こんな入院生活に嫌気がさして死にたいと思うのも当然、それだけ苦痛に襲われました。

  あまり下痢がひどいので注入食をエンシュアリキッドからアイソカルに変更すると、下痢が治まったが量が入らない、経管栄養を50ml ~70ml に増やしても、腹が張って息苦しくなる。こんな量で腹が張っていたら退院できるのはほど遠い、後二ヶ月はかかると予想していました。
主治医が来て点滴を500cc 減らし、その分、注入食を頑張って増やしてくださいと言いました。点滴を減らすと不思議と昼食を増やせます。4月まで後わずかになり、主治医に4月8日から付添人が無くなるから、それまで退院させてと頼みました。
退院の準備をすすめ「診療所/訪問看護ステーション/ヘルパー派遣業者/看護主任」各一名ずつ参加してカウンセリングが至急おこなわれました。主治医は注入食をせめて一日に600ml 注入できれば退院していいよと言ってくれました。カレンダーを見て退院の日を決めて、退院日まで600ml 注入できるように頭に入れて逆算しながら注入する。
まだ24時間の点滴(1500cc/1日)しながら注入食を増やしました。面白いように計算どおりに注入食を増やせ、退院日の二日前に予定していた注入食(アイソカル)1回/200ml+薬80ml が注入できるようになり、4月6日に逃げるように「24時間点滴(IVH)」をしながら退院しました。

  今回の入院で思った事は、今までは胃ろうを勧めてきましたが、鼻にチューブを通して我慢できる方は鼻チューブの方がいいと思います。どうしても鼻チューブは具合が悪いという方は胃ろうにすればいいと思います。これから胃ろうを勧められた方は、一度、鼻チューブを試してから考えて欲しいと思います。

私は、胃ろうが一生持つものと軽く考えていましたが、大きな誤算でした。

和中 勝三(katumi wanaka)
http://www.jtw.zaq.ne.jp/cfbng303/