Q2.旅行に連れて行きたいのですが、どんなことに気をつけて準備したらいいですか?

Q2-1:栄養剤持参ですが、自家用車でいくしかないですか?

A:栄養剤を車に積み込んでいければ安心ですが、事前に宅急便で宿泊先に送っておくこともできますので、必ずしも自家用車でなければ旅行ができない、ということはありません。電車やバスの場合には、乗り降り・通路での移動・トイレの利用が主な確認点になります。  なお、栄養剤については、旅行中に台風などで足止めされることもないとはいえません。足りなくなったら現地でほかの栄養剤を購入するなどの臨機応変さも必要です。

Q2-2:移動中や宿泊先での投与がうまくいくか心配です。

A:旅行中は、半固形化栄養剤がおススメです。

液状の栄養剤は、どこにつるせばよいか、注入容器をどこで洗えばよいかなどの問題がありますが、半固形化栄養剤であれば、つるす必要がありませんし、どこでも(高速道路の片隅でも)、注入できます。
何らかの事情で栄養剤が手元になかったら、急場しのぎとして、コンビニやドラッグストアで、市販の栄養補給ゼリーを購入して代用も可能です。
半固形化栄養剤の注入の方法はいろいろありますが、日頃から50ccの太いシリンジでボーラス投与する方法をマスターしておくと、栄養剤の形状が液体でも半固形でも、場所がどこであっても、注入できます。
旅行に行く時は、病歴や処方されている薬の情報、特記すべき体質、かかりつけ医とその連絡先などを書いたものを持っていくと安心です。ホテルに泊まっているときであれば、何かあってもホテルの嘱託医や提携病院に連絡をしてもらえるでしょう。

※参考:半固形化栄養剤 製品一覧

Q2-3:若い人たちとはペースが合わないので、夫婦で気兼ねなく出かけたほうがいいでしょうか。

A: 旅行のコツは大人数で行くことです。

お花見

介護の必要な方と二人だと、一人で添乗員と介護者を兼ねるので何かと大変です。人数に余裕があると、手分けしてことにあたれます。男女複数で行くと、公共の場でのトイレへの付き添いが同性でできる、など、とても楽です。
むしろこういう時に、子供や親戚、日頃から気を使わずにお付き合いをしている友達などを動員しましょう。準備が大変でも、行ってしまえば付き添いの人も楽しいものです。日帰りでも、お花見やディズニーランドなど、小さなお子さんも一緒にいけたら、みんなが楽しいと思います。

コラム:旅はリハビリ!!

胃ろう栄養の方は、車いすで移動しなくてはいけない方も多いですが、車いすで、どんどん外に出かけましょう。

最近では、車いすの方を対象としたツアーを扱っている旅行会社もありますから「車いす 旅行」とインターネットで検索してみて下さい。「バリアフリー旅行」、「介護旅行」、「車いすの旅」、といったキーワードをたくさん見ることができます。インターネットが苦手の方は、観光会社の窓口で“車いす旅行”と言えば、そういうプランや、企画している旅行会社を紹介してくれると思います。
「元気になったら旅行にでも」では無く、先に予定を立ててそれを目指す方がお勧めです。外出や旅行こそ、元気になるためのリハビリなのです。せっかく胃ろうを造ったのですから、外出して身体を動かしましょう。口や喉のリハビリだけではなく、身体を使うことで全身状態が改善され、また口から食べられるようになるかもしれません。胃ろうで出掛けることが胃ろうから離脱することの第一歩。旅はリハビリ!なのです。
初めての旅が心配であれば、ツアーの団体旅行に参加するのも良いですし、日帰りで短時間から慣らしていったり、万が一のときにも対応しやすい居住地の都会のホテルで宿泊だけ試してみたりしてもいいですね。

バリアフリーの宿特集

<まとめ>

  • 旅に出る前に、半固形化栄養剤のシリンジ投与法をマスターしておきましょう。
  • 旅先でのマンツーマンは、不便で不安。気心の知れた家族・親戚・友人などを動員して、大人数でみんなで楽しい旅を!

<参考>車椅子での旅行を考えている方に

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