Q1-6.交互嚥下って何ですか? 何を用意したら良いのでしょうか?
A:交互嚥下とは硬さやまとまりやすさの違う色々なもの食べる事で口の中やの咽頭の残留などをなくし、綺麗にすることです。
例えば、ご飯の時にお茶を飲むのも交互嚥下です。
●嚥下障害の患者は交互嚥下としてお茶のゼリーから始めるのが良い。
交互嚥下を意識しているスタッフは少ないです。なぜ、お茶のゼリーなのか、正確に把握・理解している人は、まだ少ないのが現状です。お茶ゼリーをデザートのように取っておいて食事後に食べるのでは十分な効果を発揮することができません。
●交互嚥下=ゼリーではなく、付着性の違う物を食べる事そのものが交互嚥下です。
患者が一点食いでなく、三角食いする事が交互嚥下です。入院すると一点食いになりがちです。最悪なケースはお粥におかずも全部、混ぜて食べる事です。
色々な食事の形態を食べることで自然に交互嚥下をしていることになります。
コラム:日本の食文化が摂食嚥下障害にとって良い事です。
普段の食事の中で自然と交互嚥下をしている。例えば日本食をお行儀よく食べる事が一番、理に適っている環境です。ごはん⇒おかず⇒味味噌汁⇒ごはん⇒副菜のように主食と副食、汁物などをバランスよく食べるように躾けられてきました。
お茶碗を持って食べると云う事は頸部が前屈して、しっかり食べられます。スプーンで食べないで箸で食べると云う事は一口量を適当にする事が出来ます。しっかりと取り込まなくてはいけないので唇をしっかり押さえて食べます。また、掴むと云う動作は非常にそこに集中するので姿勢が良くなって意識が良くなります。だから日本食の行儀の良い食べ方が摂食嚥下にとって非常に大事なことです。
洋食の時、スプーンでスープを飲む時は顔が前に出て、その分だけ姿勢が崩れます。また、日本食程小鉢で沢山でない。色々な食形態の交互嚥下には適しません。
Q1-7.テレビが唯一の楽しみになっています。訓練の時もつけておいた方が良いですか?
A:絶対に消します。
●食事環境は食べられる場所、綺麗な器、持ち易い食器、美味しそうな外見、美味しそうな臭い、適当な盛り付け、気心が知れている介助者と云うのがある。
●食事に集中できる環境は覚醒を促がす、口の中を綺麗にする、安定した姿勢が保持できるようにする、自分で食べられるような工夫をする等を実現する為に大切です。
このような事は難しい事のように感じますが、食べる時の環境は、日本人のお行儀が一番、理に適っている。
例えば、子供の頃、次のような事を躾として良く言われました。「ご飯を食べる時はテレビを消しなさい」「口の中に物がある時は喋ってはいけない」「最初の一口は味味噌汁やお茶を飲んでから食べなさい」「一つの物ばかり食べないでごはん・おかずを順繰りに食べなさい」「ちゃんとお茶碗を持って食べなさい」等、全てこれに適っています。
要は集中できる環境を作っていく事が大切です。
嚥下困難者支援食
・ソフト食(あいーと等) ・ムース食 ・ゼリー食品
リハビリテーション関連製品
口腔リハビリなど
- (小田原市立病院 摂食・嚥下障害看護認定看護師 小澤公人)
- Q1 食べ始める時の注意を教えてください。
- Q1-1:すぐに眠ってしまいます。誤嚥しないかと不安です。
- Q1-2:経口摂取を開始する基準は何ですか
- Q1-3:昨日まで熱がありました。訓練はしない方がいいですか?
- Q1-4:嚥下障害食はどうやって用意したらいいですか?
- Q1-5:スプーンで、訓練に適したもの、適さないものを教えてください。
- (→)Q1-6:交互嚥下って何ですか? 何を用意したら良いのでしょうか?
- (→)Q1-7:テレビが唯一の楽しみになっています。訓練の時もつけておいた方が良いですか?
- Q2:ゼリー食なら食べられるようになりました。食形態を上げるタイミングを教えてください。