Q1.食べ始める時の注意を教えてください

Q1-4.嚥下障害食はどうやって用意したらいいですか?

A:どのような食事形態で有れば患者が食べられるか、評価します。自分で好きな物を好きなように食べられるのがゴールです。

図3 口から食べる為の4つの取り組み

お粥をスプーンで食べることをゴールにはしません。


口から食べる為には4つの取り組みがある。この4つを調節していかないと上手くいかない。

食事形態の調節で重要なことは、患者が好きな物をエプロンを使わないで、お箸で食べると云うのが最終目標です。お粥をスプーンで食べて終わりではありません。そこに向けて、今はどの食事形態が良いかを見ていきます。

嚥下障害食はゼリーから始まって行きますが、全部がゼリーから始めるという事でなく、患者の嚥下形態に合った食形態を選んでいく必要があります。そのためには、ゼリーのような密度が均質でバラツキ難くてプルンプルンと変形し易くて、へばりつかないものが一番良いので、経口摂取の開始食はスライスゼリーを使う事が多くなっています。

●嚥下障害の患者さんに刻み食は適しません。咀嚼というのは、食べ物を細かくしているだけでなく、細かくすりつぶし唾液を混ぜて、飲み込みやすい一つの塊をつくっています。刻むのではなく、食べやすいようにやわらかくすることで、飲み込みやすい一つの塊を作りやすくすることが大切なのです。

●嚥下調整食は、決して美味しくありません。例えば「ゼリーだけ食べましょう」と言われても、それをどれ位の量を、どのくらいの期間食べればいいのか、例えば「これを3日食べたら次の段階へ行くよ」と、期間を区切られれば頑張ることができると思うのです。家で普段食べているご飯が一番、美味しい。それに比べたら病院で出ている食事は美味しくないのが普通です。

コラム:嚥下調整食

嚥下調整食をどうして用意するかと患者の家族に良く聞かれますが、在宅でやる場合はできるだけ出来合いのものでなく、簡単にできるものを探すようにしています。例えば市販の介護食とか、離乳食で代用するだけでなく、自分たちの作っている食事にひと手間加えて、まずは柔らくすることも大事です。

江頭文江先生の紹介ですが、カップラーメンの空カップに熱湯を入れてその中にゆで卵を入れて20分すると温泉卵になります。それが嚥下調整食にもなります。

ブリの照り焼きの脂身(まとまりが良くて、柔らかくて、味がしっかりしているところで食べ易い)の所を嚥下障害を持つ患者さん本人が食べて、他を皆が食べる、別な料理をするのでなく、分けるだけで嚥下調整食になります。

なんでもかんでもミキサーにかけると云う事でなく、食べ易くしてあげる。これで何処まで行けるが大事です。

市販品を使用することも時には必要です。


コラム:今までやってきた家での生活の中での食事がゴールです。

家でどんな料理をしているのかを聞いた上で、それを柔らかくすることやまとまりを良くすることをアドバイスします。

例えば、患者が家に帰って野菜を食べたい、味噌汁が食べたいと言われました。その時に玉ねぎを味噌汁で煮込むと、味がしみ込んで歯がなくても食べられます。

患者に食べるぞと云う気持ちになるようにハッとさせたい。嚥下造影とか検査する時も自分が慣れ親しんだ家で作ってきたものの方が食べる気持ちになります。

子供は特にそうです。成長段階の子供は、本当に家で作ってきたものの方が食べます。

病院ではどんな食形態の物が良いか見ますが、それがその人の最終的な評価ではありません。


コラム:家庭料理

3分クッキングの土井まさる先生は、出来合いの物を買ってきても手を抜いた料理でも、その人が食べ易い大きさ、量を器に盛ってあげるが家庭料理と言っていたのを聞いたことがあります。

家庭ではみんなの好き嫌いがあって、食べ易いように盛って、並べています。

Q1-5.スプーンで、訓練に適したもの、適さないものを教えてください。

A:一口量を適量にするためにティースプーンが訓練には適している。

図4 スプーンの大きさ・種類

●ティースプーンは普通より長さがあって幅が狭く、浅くて患者が取り込み易いようになっています。

口まで運び易いのと介助者が運ぶのを手助けもできます。

カレースプーンでお粥をすくうとお寿司のシャリ1個分位になってしまいます。これを1回で飲み込むのは無理です。カレースプーンは量が多すぎて窒息する事もあり危ないです。大きいスプーンとか、持ち難い漆の箸とかは適しません。簡単に割り箸の方が滑り難く持ち易くて軽くて良いです。

●嚥下障害の人のスプーンは1口量で飲み込み易いようにする調節の為の物です。その意味では意識がしっかりしていれば箸の方が1口量には合っています。箸は自分で食べられる量しかとれません。

嚥下困難者支援食

・ソフト食(あいーと等)   ・ムース食   ・ゼリー食品

リハビリテーション関連製品

口腔リハビリなど

 

▲ページの最初へ戻る

あなたは医療関係者ですか?
この先のサイトで提供している情報は、医療関係者を対象としています。
一般の方や患者さんへの情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承下さい。
いいえ
はい