Q2.寝たきりで口からは食事をしていないのですが、歯磨きや口腔ケアはどうしたら良いですか?

Q2-1.食事をしていないので口の中は汚れません。歯磨きはしなくていいですか?

A:しっかりと歯磨きをしてください。

口の中は、唾液によって殺菌されています。しかし食べるという刺激がないと、唾液の分泌も少なく、洗い流しが出来ませんから、食べてない人ほど細菌は増えます。しっかりと歯磨きをしてください。

コラム:歯磨きの目的は?

一般的には、歯磨きは食べものカスを取り除くためという感覚をもたれていますが、口腔ケアの一環としての歯磨きは、口の中の細菌を取り除くことが目的です。ですから唾液が多く分泌された食後が、細菌数から見るといちばんきれいなのです

口が機能してない時、つまり寝ている間が最も口の中は汚れると考えられます。夜、寝る前に、口の中の細菌を少なくするために歯を磨き、朝起きたときには、寝ている間に増えてしまった細菌を除去するために歯を磨き、食後の歯磨きは、口臭予防などのエチケット、と考えましょう。

Q2-2.口呼吸の為、口の中が乾燥して汚れがこびり付いています。はがすと痛そうなのですが、痛くない方法を教えてください。

A:乾いている状態で汚れを取るときには、口腔保湿剤を塗って、汚れ全体を浮き上がらせてから取るようにします。

びりついている汚れは粘膜のアカ(上皮)なので、無理にはがそうとすると粘膜に付着している部分から出血する事もあります。ゆっくりと丁寧にはがしましょう。日常的にしっかりと保湿をして、乾燥を予防します。

保湿剤を使う場合は、次の点に注意しましょう。

  • 塗り過ぎて膜になってしまわないように、うすく全体に塗り拡げる
  • 新しい保湿剤を塗る前に、古い保湿剤を湿らせてきれいに拭きとる

正しく苦痛を与えない口腔ケアを行うためにも、歯科衛生士に相談しましょう。

Q2-3.体を起こせないのですが、寝たままで歯磨きをするコツや、あると便利な道具を教えてください。

A:起きられない方は誤嚥の心配がありますから、あまり濡らしすぎた歯ブラシは使わないようにします。水気を切り、しっかりブラッシングして、最後にガーゼ等で水分や汚れを拭きとっていくのがベーシックな方法です。

図3 色々な用具、粘膜ケア
図 色々な用具、粘膜ケア
左からスポンジブラシ、粘膜用ブラシ、右2本は舌ブラシ

コラム:保湿剤を使って歯磨き

歯磨粉の保湿剤を付けて歯磨きをしている方がいました。保湿剤なので、取った汚れなどが停滞して、流れ落ちていきません。それを利用して、汚れを保湿剤ごと拭き取るという安全な方法です。

ただし、粘度の低い柔らかすぎる保湿剤は、垂れ込みの危険性があるので避けましょう。

Q2-4.口腔ケアって、1日3回の歯磨きをすればいいのでしょうか?

A:朝晩は必ず、それ以外の時間でも、個々の口の状態に応じていつでも、口腔ケアを行ってください。

口腔ケアというと、歯磨きなどで口を綺麗にする事と思われがちですが、それも含め、食べられる口の環境を整えることです。基本的には粘膜とか舌とか口を動かすことで、歯の表面を洗うという事だけではありません。口腔ケアの一番の目的は、機能する口にすることです。食べる機能があるからこそ、口が綺麗になるのであり、食べられるから肺炎も予防できるのです。朝晩は必ず、それ以外の時間でも、個々の口の状態に応じていつでも、口腔ケアを行ってください。

コラム:食べられない口を食べられる口に

歯が全部揃っていて、嚥下の力もあると思われるのに、口が乾燥していて動かず、食べることができなくて胃瘻を造った入院患者さん。口腔ケアをしただけで、退院翌日から食べられるようになりました。

口の中をきれいにして、マッサージやストレッチをすることで、動かす口、食べられる口の環境を整えたからです。これが、本当の口腔ケアです。

Q2-5.入れ歯の手入は、洗浄剤だけでいいのでしょうか?

図5 義歯清掃方法
図5 義歯清掃方法

A:基本的に、入れ歯の手入は9割がブラッシングです。

しっかりブラッシングした上で、プラスアルファでの使用をお奨めします。入れ歯専用の歯ブラシを使って、いつもきれいにしておきましょう。


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