Q2.家族やヘルパーさんでもできる、口腔ケアや訓練の仕方について教えて下さい
(看護のテクニックがなくても取り組めること)

Q2-1:間接訓練を導入する際の注意点とは何でしょうか

A:摂食・嚥下機能の向上には正確な評価と原因に応じた訓練の選択が求められます。

そのため、専門的な介入の有無、頻度や診断歴などの確認は必要です。また、機能だけでなく、本人の活動や環境への考慮も重要です。摂食・嚥下機能はあくまで利用者の一部分であり、他の心身機能や活動の制限、家庭環境や支援状況等を把握することが重要です。

利用者の要望、必要性を合わせて緊急性や優先順位を決め、在宅生活の全体像から摂食・嚥下を位置づけていきます。現在の摂食・嚥下の位置づけを利用者、家族、サービス担当者で確認・共有した上で、間接嚥下訓練導入の意味を設定・共有することが重要です。間接嚥下訓練に対する目的が、サービス担当者間や家族によって大きく異なったり、「間接嚥下訓練の開始=経口摂取の確約」「間接嚥下訓練=誤嚥」と短絡的な考えに陥らないよう注意しましょう。環境の調整、専門的な評価を求める方法は、「8.こんな疑問、誰に聞けばいいの?」を参考にしましょう。

一方、どのような理由で経口摂取が中止であっても、過度の安静・器官の不使用は関連機能の廃用変化を起こす可能性があります。今回紹介する間接訓練は、このような廃用変化を少しでも予防できることを目的としています。嚥下障害の主要因への対応とは限りませんのでご注意ください。全身状態および専門的な介入の状況を考慮して導入を検討ください。

Q2-2:「パンダの宝もの」と声に出す訓練をするように言われました。声を出すことと飲み込むことに、どういう関係があるのですか?

A:発話と飲み込みには多くの器官が共通しています。

呼吸器官が調整する呼気は、声の大きさにもムセの強さにもつながります。音を作り出す声帯は、嚥下時に強く閉鎖することで異物の侵入を防ぎます。舌や頬、歯などの口腔器官は、構音と咀嚼の両者の実現に重要です。ただし、共通した器官であっても運動の内容は異なります。発話が明瞭でも飲み込みの障害は否定できませんし、誰もが「パンダの宝もの」と発話するだけで飲み込み機能が向上するとは限りません。

一方、発音不明瞭の人が咀嚼機能も低下している場合や、声の小さい人がムセも弱い場合もあります。このようなときに、外見では分かりにくい飲み込み低下を説明する手段の一つとして、「パンダの宝もの」などを利用者に発話してもらい、各器官の低下を推察してもらう場合があります。

多くの筋が適切なタイミングで動くといった協調性の向上は、目標とする動きに近い練習が良いとされています。食物を使用しなくても、嚥下機能の向上には嚥下運動が最も良いとされています。(※文献11)

コラム:訪問看護師から聞いた「なるほど」

訪問看護・介護では、支援者一人で多くのケアをすることはめずらしくありません。身体のケアが複数の場合、各部位の度に手洗いはしますが、順序としては原則的に衛生的な部分から始めるそうです。例えばフットケアと口腔ケアの両方行う予定であれば、口腔ケアから行います。しかし、傾眠しがちな利用者によっては、フットケアで覚醒してから、口腔の訓練を能動的に行うこともあるそうです。利用者の生活スタイルに合わせた技だと思います。

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