Q3.食べられるようになったら胃瘻から離脱できますか?

Q3-1:口から食べられるようになりました。胃瘻を抜きたいのですが。

A:抜くことのメリットとデメリット、抜かないことのメリットとデメリット、どちらもあるので、慎重な判断が必要です。

ピアス同様、カテーテルを抜いてしまえば、自然に腹壁側も胃壁側も瘻孔は閉じますので、特別な手術は必要ありません。しかし、再造設する場合は、腹壁と胃壁が癒着していることで、造設しやすい面としづらい面があるようです。

 

抜いた場合

抜かない場合

メリット

・異物が身体についている違和感や管理の手間からの解放

・スキンケアがしやすい

・再び必要となった場合、特別な処置をせずにすぐ使用できる(水分・栄養の安定補給)

デメリット

・抜いた後、また必要と判断された場合、再造設が必要

・再造設する際、一定のリスクを伴う

・異物が身体についている違和感の継続

・スキンケアの邪魔になることがある

・使用していなくても、日常のケアや定期的なカテーテル交換が必要

口から食べられるようになったのだから、という気持ちもわかるのですが、抜いてすぐ口から食べられなくなったり、量が不足したり、誤嚥性肺炎を起こして入院したり、というケースも少なくありません。本人の状態や介護者が何を負担と感じるかも考慮して、慎重に判断することをおすすめします。

Q3-2:「食べられるようになっても、残しておいた方が良い」と言われました。食べられるのに、何故ですか?

A:口からの食事だけで必要栄養量を確保できる状態が継続できて、栄養状態がよい方であれば、抜いても構わないと思います。

しかし、ちょっとトラブルがあったら経口摂取量だけでは足りなくなるかもしれないという場合は、抜かないでおいた方が良いと思います。経口摂取量が落ちたときだけ、胃瘻からミキサー食を入れたり、発熱時に水分だけ入れたり、必要量を適宜補給ができるからです。

経口摂取が復活し栄養状態が良好であること、多少身体の状態が悪くなっても経口摂取で相当いけるだろうという可能性のあることが、胃瘻を抜くための条件だと思います。

何とか経口摂取ができるようになったけれども、身体が痩せたままというレベルで抜くことは、おすすめできません。

また、全量経口摂取できたといっても、ゼリー食やペースト食のような食形態でなんとか食べられているのか、あるいは常食か、量的にもやっと全量経口摂取なのか、本当はもっと食べられる余裕があるけれども、太りすぎないようにセーブしているのか、等の状況によって、食べられなくなったときのリスクは異なります。

コラム:薬は胃瘻から

食事も水分も十分量口からとれるようになっても、苦いから薬は胃瘻を使う、という人がいます。

錠剤と水という、異なる形状のものを同時に飲むときだけ誤嚥するため、薬は胃瘻から、という人もいます。

味や形状による飲みにくさを考えると、薬専用の注入口としてのみ胃瘻を残しておく、というのも有用な使い方ではないでしょうか?

(関連→簡易懸濁法

<まとめ>

  • 経口摂取ができるようになっても、栄養状態は良好か、外せる状態を維持できるかどうかの見極めが重要です。

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