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Chapter1 PEG
4.交換 1.カテーテルの種類と交換


大阪市立総合医療センター 西口幸雄

西口幸雄
記事公開日 2011年9月20日

2015年10月21日改定

1.カテーテルは定期的に交換しなければいけないか?

胃瘻カテーテルは毎日使用するため、当然劣化する。また、栄養剤を注入後いくらその都度チューブをきれいに洗浄しても、注入するものが栄養剤であるため、チューブ内に栄養剤がこびりつき、チューブ内に細菌の感染を引き起こす(図1)。安全で確実な栄養剤投与をおこなうためには、カテーテルは定期的に交換する必要がある。

図1 カテーテル交換時の旧カテーテル 何ら症状がない患者の6ヵ月毎の交換時の旧カテーテルであるが、汚染や劣化が認められる。
図1 カテーテル交換時の旧カテーテル
何ら症状がない患者の6ヵ月毎の交換時の旧カテーテルであるが、汚染や劣化が認められる。

2.カテーテルの種類による交換時期

カテーテルは内部ストッパーの形状とカテーテルの長さにより、大きく4種類に分けられる(図2図3)。

図2 PEGの構造
図2 PEGの構造
図3 胃瘻カテーテルの種類
図3 胃瘻カテーテルの種類
大きく4つに分けられる

交換時期はカテーテルの長さには影響されず、内部ストッパーの形状によって変わる。すなわち、内部ストッパーがバンパー型かバルーン型かによって交換時期は異なる。患者さんには出来るだけ新しいカテーテルを使ってもらいたいため、早期の交換がいいように考えられるが、交換が頻繁であればそれだけカテーテル誤留置の合併症の頻度が増すことに注意を要し、患者さんに対しても痛みや患者搬送など、身体的あるいは社会的な負担を強いることにもなる。

2.1 バンパー型

バンパー型は4ヵ月が過ぎると交換に対して保険請求が出来る。しかし耐久性がいいものが多く、愛護的に使用している場合が多いため、実際は6ヵ月毎に交換している施設が最も多い(図4)。

図4 バンパー型による交換間隔
図4 バンパー型による交換間隔2)
6ヶ月ごとに交換されている場合が多い

2.2 バルーン型

バルーン型は24時間を経過すると交換に対して保険請求が可能である。バルーンの耐久性が良くなったため、多くの施設では1~2ヵ月毎にカテーテル交換が行われている(図5)。

図5 バルーン型による交換間隔
図5 バルーン型による交換間隔2)
1~2ヶ月毎に交換されている場合が多い。

3.カテーテルの種類による交換方法

カテーテル交換の方法は様々な方法があるが、交換にともなう医療事故の報告も散見され、安全な交換法の確立が求められている。

大きく分けて、内部ストッパーを切り離さずにカテーテルが一体になったまま用手的に抜き去り、新しいカテーテルを用手的に挿入する方法(カテーテル非切断法(図61))と、内部ストッパーを一旦切り離し、古いカテーテルを抜き去った後、新しいカテーテルを用手的に挿入した後、内視鏡で古い内部ストッパーを回収する方法(カテーテル切断法(図7))に分かれる。

図6 カテーテル非切断法
図6 カテーテル非切断法
用手的交換とも呼ばれる
図7 カテーテル切断法
図7 カテーテル切断法6)
内視鏡を用いた交換である。
カテーテル切断をともなう内視鏡下カテーテル交換
 a.スネア鉗子でカテーテルを把持する
 b.カテーテルを切断する
 c.旧カテーテルを抜去後瘻孔の方向を確認する
 d.新カテーテルを用手的に挿入する

3.1 カテーテル交換の準備

カテーテル交換時には胃が収縮していると瘻孔が一直線にならず、腹腔内誤挿入の危険が増す、とも考えられており、交換前にあらかじめインジゴカルミン液(スカイブルー法)などを注入しておき、胃を膨らませ、瘻孔が出来るだけ腹壁に直角になるようにしたうえで交換に備える場合も多い。また交換前に注入した液体は交換後の胃内容物の確認にも利用され、有用であると思われる。

3.2 カテーテル非切断法(図61)

内部ストッパーがバルーン型のものもバンパー型のものにも使用される。バルーン型のものであればバルーンを空虚にした後で、バンパー型のものであれば内部ストッパーをある程度直線化した後で用手的に体外に引き出す。この際に、バンパー型のカテーテルは抵抗が大きいため瘻孔損傷が起こりやすいと一般には考えられているが、必ずしもバンパー型のカテーテルの方がバルーン型のカテーテルより腹腔内誤挿入の発生が多い、とは言えないようである(図82))。

図8 腹腔内誤留置における使用カテーテルタイプ
図8 腹腔内誤留置における使用カテーテルタイプ2)
腹腔内誤留置時の使用されたカテーテルはバンパー型が20施設(83%)と多かったが、バルーン型の使用施設7施設中の4施設に腹腔内誤留置が経験され、必ずしもバルーン型に腹腔内誤留置が少ないことではなかった。

用手的に古いカテーテルを抜去した後に、その瘻孔に用手的にバルーンあるいはバンパー型のカテーテルを挿入するのである。その交換時にガイドワイヤーやオブチュレーターを用いたりして、より安全に交換を行うための工夫がなされている。本法は内視鏡下に行う場合もあればレントゲン透視下に行われる場合もあれば、在宅で行われる場合のように、一切カテーテル交換以外の器具を用いない(用いることが出来ない)場合もある。実際、どのような状況下でこの方法を行うかで利点と欠点が異なる。

本方法では、瘻孔破損が発生する機会は、カテーテルを抜去する際とカテーテルを挿入する際の2度存在する。

3.3 カテーテル切断法(図7

バンパー型のカテーテル交換に際して本方法を行っている場合がある。交換前にあらかじめ内視鏡を胃内に挿入しておき、体外でカテーテルを切断し、内部ストッパーをスネアーで把持し、新しいカテーテルが胃内に挿入されたことを確認した後に、内視鏡ごと切断された内部ストッパーを体外に取り出す方法である。利点は確実に胃内に留置できることであり、瘻孔破損が発生する機会は、新しいカテーテル挿入時の1度のみである。欠点は内視鏡の挿入が不可欠であるということである。

4.胃内留置確認法

カテーテル交換においては交換法そのものよりも、交換された新しいカテーテルが胃内に入っているかをどのようにして確認したか、が重要である。この過程を怠ったばかりにカテーテルの腹腔内誤留置(図9)が見過ごされ、栄養剤が注入され、不幸な転帰をとられる症例もいまだにあるのである(図10)。確認法についての詳細は他項(第1章4.3)に譲る。

図9 腹腔内誤留置の模式図
図9 腹腔内誤留置の模式図6)
瘻孔を損傷し、カテーテルが瘻孔外(腹腔内)に逸脱する。
図10 腹腔内誤留置の経験
図10 腹腔内誤留置の経験2)

5.問題点

カテーテル交換に伴う合併症は一旦合併症を起こすと、生命に関わる結果となる場合もあるので慎重に扱わなければならない。

カテーテル交換は用手的に行われる場合が多い3)が、その胃内留置の確認には、内視鏡を使用したり4) 、透視を使ったり、胃内容物を確認したり5)、各施設が種々の方法で行っている。内視鏡や透視を使う確認法は確実であるが、施設に患者を運んでこなければならず、患者本人や家族の負担が大きい。また内視鏡検査に関連した肺炎などの合併症も少数ながら発生する(図11)。

図11 内視鏡に伴う合併症
図11 内視鏡に伴う合併症2)
10%の施設で内視鏡に伴う肺炎などの合併症があった。腹腔内誤留置は24施設(38%)に経験がみられた。

また、胃内容物の確認や注入液の回収法による確認では、簡便であるが、100%確実ではない、という欠点がある。大多数の患者が家庭や在宅施設に入所していることを考えると、安全で簡便な交換法と簡便で確実な確認法のさらなる開発が望まれるところである。

6.終わりに

カテーテルの種類と交換、時期と方法について述べたが、内視鏡やレントゲン透視を駆使すればほぼ安全に確実にカテーテル交換は施行しうる。しかしそのような重装備をしなければ安全なカテーテル交換が出来ないようでは、大多数が在宅や老健施設で過ごされている胃瘻患者に対して負担が大きい。さらに安全で、簡便で、確実なカテーテル交換・確認法の確立が急務であると思われる。

文献

  1. 西口幸雄:カテーテル交換、PEG用語集、鈴木博昭、曽和融生、比企能樹、監修、フジメデイカル出版、大阪、2013 (P64-65)
  2. 西口幸雄:関西地区でのアンケート結果からみたカテーテル交換. 在宅医療と内視鏡治療 14 : 14-21, 2010
  3. 倉 敏郎;交換のポイント、胃ろうケアと栄養剤投与法、西口幸雄、矢吹浩子編、照林社、東京、p187-191,2009
  4. 伊藤 徹;内視鏡を用いた交換、胃ろうケアと栄養剤投与法、西口幸雄、矢吹浩子編、照林社、東京、p192-197,2009
  5. 小川滋彦;在宅での交換、胃ろうケアと栄養剤投与法、西口幸雄、矢吹浩子編、照林社、東京、p198-201,2009
  6. 嶋尾 仁;内視鏡的胃瘻造設術―手技から在宅管理まで―(改定第2版)、永井書店、大阪、p140-142,2005

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