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Chapter1 PEG
5.日常管理 1.カテーテル管理(カテーテルの種類と特徴、管理法など)


石田医院 石田一彦

石田一彦
記事公開日 2011年9月20日
2015年10月27日改訂

胃瘻カテーテルは各社から様々な製品が発売されているが、以下の4つタイプのいずれに該当するかを知っていれば対処は可能である。

すなわち、胃内の内部ストッパーの形状はバルーン型バンパー型か、お腹から外の部分の形状はボタン型チューブ型か、これらの組み合わせにより4つのタイプに分けることができる。(図1

図1 カテーテルの種類
図1 カテーテルの種類

胃内の様子が見ることができない状況で内部ストッパーがバルーン型かバンパー型かを見分ける方法は、腹壁側のチューブ接続部分に注水口が付いているかどうかで判断する。

1.日頃の観察

①カテーテルの外部ストッパーはきつくないか?

チューブ型の場合、外部ストッパーを締め付けすぎない様に注意すること。適度なゆるみ、すなわち1~2cmのあそびを持たせることが重要である。ボタン型の場合も同様に長さに余裕がなくてはならない。徐々に太って、きつくなってくることもあるので上下に動かし、適度に余裕があることを確認する(図2)。

②カテーテルはよく回転するか?

チューブ型でもボタン型でも長さにあそびがあることと共に、抵抗感なく回転することが大事である。1日1回以上はカテーテルが360度以上回転することを確認する(図2)。ただし、回転させる場合はカテーテルを軽く胃内に押し込んで回すこと。抵抗が強ければ、内部ストッパーが胃粘膜に埋もれてしまっていることがあり(バンパー埋没症候群)、早めに内視鏡で確認する必要がある。

図2 腹壁と外部ストッパーの間に1~2cmのあそびをもたせる
図2

③腹壁から外のチューブが短くなっていないか?

チューブ型カテーテルの外部ストッパーは次第に移動してしまうことがある。日頃ストッパーがチューブのどこに位置していたか、印をつけておくことも有用である。腹壁から出ているチューブが普段より短くなっている場合、内部ストッパー(特にバルーン型)が蠕動で幽門を越えてしまい、ボールバルブ症候群となってしまっているかもしれない。引いても抵抗が強く、元の長さに戻らなければ内視鏡か透視にて確認が必要である。

④チューブは皮膚面に対して垂直か?

チューブ型カテーテルの場合、チューブがなるべく皮膚面に対して垂直に立つようにし、瘻孔に負担(圧力)をかけないようにする(図3)。

図3 チューブがなるべく皮膚面に対して垂直に立つようにし、瘻孔に負担(圧力)をかけないようにする
図3

衣服を着せた時にチューブが押されて斜めになると瘻孔の片側にだけ圧が加わり虚血状態が生じたりする。外部ストッパー部分に厚めのスポンジをはさんだりする工夫もあるが、瘻孔から出たチューブを直角に曲げる固定板(図4)も市販されており有用である。

図4 カテーテル固定板(クリエートメディック製)
図4 カテーテル固定板(クリエートメディック製)

⑤バルーンの水はいつ交換したか?

胃内におけるバルーン内の水は自然に減少してくる。1~2週間に1回は水の量を確認し交換することが必要である。バルーン水には蒸留水を使用すること。生理食塩水や水道水だと抜けなくなることがある。水を減ったままにしておくと事故抜去の原因になるので注意すること。また注入する水の量はキットによって異なるので、取り扱い説明書などであらかじめ確認し、わかりやすい様にメモしておくと良い。

2.栄養剤投与の前に

栄養剤投与の前には胃内に貯まったガスを脱気する。その際、チューブ型の場合は注入口のふたを開ければ胃内の脱気は可能である。しかしボタン型の場合(特にバンパー型ボタン)は、逆流防止弁がついており、ふたを開けただけでは脱気できないものがほとんどである。逆流防止弁の位置も、ふたを開けるとすぐに確認できる製品や、先端部分(胃内)に付いており、ふたを開けただけでは気づかない製品もある(図5)。

図5 逆流防止弁の位置
図5 逆流防止弁の位置

その違いにより、脱気の際に接続するチューブが栄養剤投与用のものとは異なる場合があるので注意が必要である。

3.栄養剤投与の後に

チューブは食器の様なもので使用後は出来る限りきれいにし、清潔に使いたい。

栄養剤投与終了後、ボタン型であれば接続チューブをはずして十分に洗浄することが可能である。十分な水洗い後、0.01%の次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン®)に1時間以上浸漬し、乾燥させる1)。取り外しができないチューブ型の場合、十分な微温湯でフラッシュをした後、チューブ内を10倍希釈した酢酸水(家庭用の食用酢を水で10倍に薄めればよい)で満たしておくことも有用である。酢酸水はフラッシュするのではなく、充填する(図62,3,4)

図6 酢酸水の充填法(PDNセミナーTEXT BOOKより)
図6 酢酸水の充填法 (PDNセミナーTEXT BOOKより)

チューブ内をpH4以下に保つことで細菌の増殖が抑えられる静菌効果が得られるからである。最近ではpHを調整した水ゼリーを充填することで、よりカテーテル内の残渣を残さず充填できることも報告されている5)

チューブ内にすでにこびりついてしまった残渣はクリーニングブラシ(PDNブラシなど専用のものが発売されている)などで洗浄することも有効である。

次のカテーテル交換までバンパー型キットの場合4~6ヵ月使用しなければならないので、チューブの汚れには始めから注意を払うべきである。

4.その他

注入口のキャップが緩んできたりすることもあるが、カテーテルごと交換するには、その交換に伴う材料費の請求はバルーン型の場合、体内に24時間留置すれば認められるが、バンパー型の場合4ヵ月留置した後でなければ認められない。どうしても不具合があれば交換するしかないが、半年後の交換時に「ずいぶんきれいに使っていましたね」と言われるくらいを目標にしたいものである。

文献

  1. 東口高志:胃ろう(PEG)管理Q&A、総合医学社、東京p182,2011
  2. 岡田晋吾、北海道胃瘻研究会:病院から在宅までPEG(胃瘻)ケアの最新技術、照林社、東京、p98,2010
  3. 加藤幸江、渡辺文子、ほか:在宅医療と内視鏡治療5:9-13,2001
  4. PEGドクターズネットワーク:PDNセミナー胃瘻と栄養テキストブック、PDN、東京p136,2006
  5. 合田文則:胃ろうケアのすべて、医歯薬出版株式会社、東京、p98,2011

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