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Chapter1 PEG
5.日常管理 2.スキンケア(普段の手入れと入浴など)


北里大学看護学部 松原康美

松原康美
記事公開日 2011年9月20日

<Point>

  • 胃瘻周囲は清拭または洗浄により清潔を保つ。
  • 日常のスキンケアでは消毒の必要はない。
  • 入浴は術後2週間くらいから可能である。
  • 日々の観察とケアによりスキントラブルを予防する。

1.日常のスキンケア

胃瘻周囲皮膚は常に清潔を保っておく必要がある。胃瘻は胃に通じている瘻孔のため、少量の粘液が出る(図1)。

図1 瘻孔周囲に付着した粘液
図1 瘻孔周囲に付着した粘液

また瘻孔周囲に不良肉芽が存在する場合にも多少の滲出液がみとめられる。これを放置しておくと乾燥して固まり、スキントラブルや炎症・感染の引き金にもなる(図2)。

図2 滲出液が乾燥して付着
図2 滲出液が乾燥して付着

スキンケアの具体的な方法としては、ぬるま湯を湿らせた不織布ガーゼや薄めの布を指に巻き、目脂(めやに)や口周りの汚れを除去するのと同じように毎日、丁寧に汚れを取り除く(図3)。

図3 清拭または洗浄により清潔に保つ
図3 清拭または洗浄により清潔に保つ

瘻孔辺縁部は市販の綿棒を水で湿らせて使用してもよい。この時、粘液や血液が乾燥して付着している場合には、無理にこすらず入浴やシャワーで洗浄しながら除去する。または水分をたっぷり含ませた化粧用パフなどで局所をしばらく湿潤させておくと除去しやすくなる。

普段の手入れは水道水で清拭または洗浄する。洗浄後に消毒をする必要はない。皮膚には元来常在菌が存在しており、無菌ではないため、消毒して殺菌するのではなく清潔に保つことが重要である。明らかな炎症や感染徴候がみとめられた場合は、洗浄の量や回数を検討し発生要因を取り除く。

また胃瘻周囲に滅菌ガーゼを使用する必要はない。ガーゼの使用は、固定する粘着テープや発汗時にガーゼ下の皮膚が湿潤することによる、スキントラブルの原因にもなり得る。粘液や不良肉芽からの滲出液がみとめられる場合は、こより状にしたティッシュペーパーをカテーテル周囲に巻いておく方法もある。この方法は、粘着テープが不要でガーゼに比べると滲出液の吸収が比較的よいといわれている。

2.シャワーと入浴

通常、局所と全身状態に問題がなければシャワーは術後1週間、入浴は術後2週間くらいから可能である。胃瘻カテーテルが露出した状態で浴槽につかってもお湯が胃内に入ることはないので、ビニールやポリウレタンフィルムで覆う必要はない。皮膚の清潔を保つためには、むしろ胃瘻カテーテルが露出した状態で身体を洗うのと同じ洗浄剤をつけ、シャワーで洗い流す方が効果的である。

シャワーや入浴後は、乾いたタオルで胃瘻周囲の水分を拭き自然乾燥させる。この時、ドライヤーを使用してはならない。ドライヤーは温風による皮膚へのダメージだけではなく、瘻孔部やカテーテルの破損にもつながる。

皮膚が乾燥しやすい人はスキンケアの後、10分以内に保湿クリームを塗布すると保湿に効果的である。また瘻孔部から栄養剤や消化液がもれている場合は、撥水性クリームや白色ワセリンを塗布し、スキントラブルを予防する。

3.観察

カテーテルが抵抗なく回転できること、ストッパーと皮膚の間隔が1~1.5cmあることを確認しながら(図4)、瘻孔辺縁部と皮膚の状態を毎日観察する(図5)。

図4 カテーテルを回しながら観察
図4 カテーテルを回しながら観察
図5 瘻孔辺縁部と皮膚状態の観察
図5 瘻孔辺縁部と皮膚状態の観察

この時、胃瘻から十数cm離れた皮膚と比較し、発赤、腫脹、熱感、疼痛、発疹、掻痒、乾燥、落屑、湿潤、滲出液の有無などはないか、自覚症状と他覚症状の双方を確認する。何らかのスキントラブルが認められた場合は、原因を検討し、早めに対策を講じる必要がある。

胃内の様子が見ることができない状況で内部ストッパーがバルーン型かバンパー型かを見分ける方法は、腹壁側のチューブ接続部分に注水口が付いているかどうかで判断する。

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